猫カビとの戦い:真菌治療と薬
全く治る様子のない猫カビ……
皮膚糸状菌症となってしまった野良猫のヤエちゃん。
色々調べた末に「イトラコナゾール」を入手して治療に励んだのですが、
投薬途中で急に来なくなったりするのが野良の宿命……。
治りかければ再発&さらに酷くなるを繰り返し、
なかなか完治に至らないまま、
発症から約3年が経つというのに いまだに皮膚がボロボロ。
写真でご覧の通り、一見しただけでは病気とわからないまでに回復しましたが、
首元や顎、手足の甲や内股などの外からよく見えない部分が
真菌にやられています。
しかも、最悪なことに、長期間の服薬により
薬への耐性
ができてしまったのか、どうみても薬の効きが悪い。
以前のような劇的な回復が見られず、
薬を飲んでいるのに治りが明らかに遅いんです。
そこで、私は思い切って別の薬を試してみることに……。
「皮膚糸状菌症」に試した薬
「イトラコナゾール」
いくら他よりお安く手に入るとはいえ、かなり高額なイトラコナゾール。
正直言って、これを継続購入するのは結構キツイ……。
もちろん、即効性と副作用の少なさからすれば、
このイトラコナゾールが最適なのですが、
効き目が薄まってきたとあらば
(この際、別の薬を試してみよう!)
と、思うのは当然の流れ。
イトラコナゾールについての過去記事はこちら↓
「ニナゾル」
そんなわけで、まず最初に購入してみたのが「ニナゾル」です。
用法
1日当たり1回~2回、10mg/kgを経口投与する。
消化器症状(食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少など)が最もよく観察される副作用です。
他に、肝機能障害、血小板減少症、運動失調、行動の変化などが報告されています。
こちらは錠剤タイプのお薬で、体重によって分割して投与するため
かなりお得です。
100錠もあることだし、これでじっくり治せるはず!
……と思っていたのですが、どうやらヤエちゃんには効き目がイマイチ。
(症状の酷くない他の猫には効いた)
上記のようなハッキリとした副作用は見られませんでしたが、
“猫にはあまりお勧めしない”薬だということもあり、早々に使用を中止しました。
う~ん、でも今思えば若干食欲が減っていたような気もする……。
「イトリゾール」
そして、次に試したのがこちら「イトリゾール」。
用法
猫に体重1kg当たりイトラコナゾールとして5mgを基準量とし、1日1回、空腹時に7日間経口投与を隔週で3回行う。
例)体重4kgの場合
5×4=20 ➔ 1回 20mg
100÷20=5 ➔ 1カプセルを5等分したものが1回分となる
食欲不振、体重減少、嘔吐、肝機能障害、抑うつ症状。
このお薬はカプセルになっていて、中を開けると粒状の顆粒剤が入っています。
ちなみにカプセル自体はかなりデカくて紫色。
上の画像のように粒状なので、中身を出す時などはこぼしやすいです。
しかもこの粒がかなり厄介で、お皿に出すとコロコロ転がりまくり!
5~6等分するのがかなり難しいため、適当な目分量になってしまっています……。
猫カビ治療中に新たなトラブル発生!
なかなか薬の継続投与が難しい外猫さん。
順調に「イトリゾール」を服用していたところ、
明らかに猫カビとは違う皮膚疾患があることに気が付きました。
それは下腹部~内股の脚にまで広がっていて、皮膚にポツポツと赤い斑点があります。
その頃から寝床が大量の尿で汚されていることがあり、
別の猫の悪さかと思っていたのですが、どうやらヤエちゃん本人のお漏らしかおねしょのようで……。
そのオシッコで体が濡れて、痒くなってしまったっぽい。
下部尿路疾患も併発しているかもしれないと思い、
「イトリゾール」と併せて抗生物質の「アルファモックス(アモキシシリン)」を投与することにしました。
抗生物質「アモキシシリン」は万能薬
アモキシシリンとはペニシリン系のお薬で、主に猫風邪に使用することが多い薬です。
殺菌性の抗菌薬なので、中耳炎、扁桃腺、副鼻腔炎、肺炎、細菌性腸炎、肛門腺炎、尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎、子宮内膜炎、子宮蓄膿症、乳腺炎と多くの感染症の治療に有効!
しかも副作用は特に無く、妊娠動物でも使用可能。
常備薬として絶対に入手しておきたいお薬のひとつです。
しかし、残念なことに現在は長期的に在庫切れ中……。
どうしても欲しい場合は、別の個人輸入店さんで購入するか、もしくは代替品の「アルファモックス」を入手するしかありません。
ちなみに私は代替品の「アルファモックス」と、別のお店で購入した「アモキシシリン」を使用中です。
追記:現在入手可能な「アモキシシリン」
1箱20カプセル入りの『APO-アモキシシリン250mg』です。
痒み止めの服用でさらに効果UP!?
そんなわけで、猫たちを見ていると、猫カビにかかってもあまり痒がっていない子は軽症で治りも早いです。
ところがヤエちゃんの場合はとても痒がっていて、掻いた足からさらに別の場所へと感染……。
どんどん広がっているんです。
それなら、痒み止めがあればいいんでは?!
そう思った私は、早速痒み止めのお薬「アタライズ(アタラックス)」を購入して試してみることにしました。
「アタライズ」
「アタライズ」は、アトピーやアレルギー性皮膚炎によるかゆみを抑えたり、気分を落ち着かせたりするお薬です。
用法
体重1kgあたり1~2mgを1日2~3回(8~12時間おきに)経口投与する。
例)体重4㎏の場合
1回の分量は4~8㎎となるので、
→6分割で……4㎎
→4分割で……6㎎
過性の過鎮静、嗜眠、興奮過剰反応など
錠剤のサイズはかなり小さいです。
しかし、今まで順調に薬入りご飯を食してくれていたヤエちゃんが、
なぜだか急に食べてくれなくなったもんだから、
さあ困った。
せっかく痒み止めを買ったのに……。
そこで私は以前買っていた『空のカプセル』があったのを思い出し、
分割した錠剤をそれに入れて「ちゅ~るビッツ」の中に仕込む作戦を考えました。
出来るだけカプセルを小さくするために、
少しカプセルの口を切ってから蓋をはめ込んで作成したのが上の画像です。
これでなんとか食べさせることに成功!٩( 'ᴗ' )۶
現時点でのまとめ
そんなわけで、まだまだ終わりの見えない“皮膚糸状菌症”。
悪戦苦闘しつつ、いまだ治療中の毎日です。🥺
錠剤はジワジワ効いてくる感じ?なのか、
投薬中に潜んでいた菌がブワっと出て状態が酷くなるような気が。
そして休薬中に多少治まるものの、気が付くと違う場所がハゲている……
というのを繰り返しているのが現状です。
あまりにも長く治療しているので、やっぱり薬への耐性がついてしまっているのでしょうか……。
とりあえず、今は痒み止めの効果に期待するのみ。